椿 読書録

読書とその他楽しみの記録です。

<本>新釈 走れメロス他四編 森見登美彦

再読。

日本文学の名作を「森見流」に換骨奪胎して書き直した5編の物語。

面白かった。

各作品の登場人物たちがちょっとずつ交差しているあたりも好き。

私は「山月記」がすごく好きなのでどうなるかな、と思ってたんだけど、「自意識・自尊心の高さ」が上手く「腐れ大学生」にマッチしててよかった。

走れメロス」は、原作の教訓的な「友情の美しさ」をぐるんと反転させたドタバタコメディになってて面白かった!

桜の森の満開の下」は原作の美しさ・怖さが、うまく置き換えられてて美しい。

「百物語」は未読なので原作からどう料理されているか不明だけど、前4作の登場人物たちがオールスター出演、というおもむきがある。

「伸び縮みするケモノみたいなの」は、『きつねのはなし』に出てきたアレですかね・・・。

 

表紙や中表紙で、各作品のモチーフがアイコンのようになっているのだけど、「走れメロス」は桃色ブリーフ・・・。

更にあとがき及び巻末の「初出」のページの下にあしらってあるのが、「桃色ブリーフを履いて踊る3人の男のシルエット」・・・。

いやー!!(笑)シンプルでスタイリッシュで可愛さもあるのがまた(笑・山本祐布子さんという方のイラストみたい)。