椿 読書録

読書とその他楽しみの記録です。

<本>君に読ませたいミステリがあるんだ 東川篤哉

恋ヶ窪学園シリーズだ!と思ったけど、あのシリーズは「恋ヶ窪学園探偵部」らしい。

これは文芸部が舞台なので、番外編というべき?

文芸部部長の水崎アンナに、美少女・水咲アンナが探偵役の学園ミステリを読まされる僕、という展開。

作中作ミステリで、これなら普通の学校で殺人事件がバンバン起こっても不自然じゃないし、事件に素人が関与することもできる。なるほどー。

作中の水咲アンナがやたらと美少女!頭脳明晰!人に慕われる!!と礼賛されまくっているのも笑える。

水崎部長もちゃんと美少女ではあるのですが、「美人だけどそれを思わせないコメディキャラ」という東川作品のヒロインだな・・・。

 

<ネタバレ>

 

 

作中作ミステリの仕掛けには、なるほど!気づかなかった!と膝を打ちました。

・・・が、「それで・・・?」となってしまうのも確か。

この仕掛けがもうひとひねり、なにか事件につながってほしかったなー。

 

あと、ラストの展開にはひどい!と思った。

恋愛として成就してくれというわけではないけど、人の思いに対してその反応はどうだろう・・・、いや、水崎部長もエキセントリックだから、それを素直に受け止めるわけにも、というのもわかるんですが。

と、思ってたら、東川先生のインタビュー記事を読んだところ、

当初「僕」は霧ヶ峰涼のつもりで書いていた、と・・・。

しかも「僕」は男か女が分からない!?

そうなってくるといろいろと話が違ってきますよ、先生・・・。

なんか複雑な読後感でした。