<本>中野のお父さん 北村薫
編集者の娘と博学な父、疑問や謎が浮かぶ度に中野の実家に帰って「お父さん」に相談すると見事な答えが・・・。
『中野のお父さん』というタイトルだと、自分の父親を指してる感じがしないので、何か意味があるのかと思っていたんですが、ふつうに実家の自分のお父さんでしたね。
(「中野にいるお父さん的存在の人」とか、「中野に住んでる義理の父」とかそんなイメージだった)
ちょっと理想的すぎる父娘関係という気もしますが、まあ仲のいい親子だったらこんなもんか、という感じでもあり。
表紙の益田ミリさんのイラストが作品の雰囲気に合ってていいなあ。
作中の編集者エピソード(雑誌の取材とか)は、担当編集さんに取材したのかなー、とか考えながら読みました。
<ネタバレ>
「幻の追伸」
これ、古本屋のご主人が思慮深い人だったからおもてに出なかったけど、そういうこと気にしなかったり、逆にゴシップ大好き!みたいな人だったら大変なことになってそうですよね・・・。
単純に遺族が見つけて誤解する・ショック受けるということもあるだろうし。
変な誤解を生むような物証は残しておいちゃダメだな、と思いました。
「闇の吉原」
架空の作家名が続いていたところに、泡坂妻夫の名前が出てきたのでびっくりした。
ちょうどここのところ倉知淳作品・櫻田智也作品を読んで、泡坂妻夫のことを考えてたのもあったし。
『煙の殺意』また読みたくなりました。
「冬の走者」
これ、普通にミステリーのアリバイトリックとして使えるのでは?と思ったけど、警察が介入してくると監視カメラとかでバレちゃうかな・・・。
せっかくなのでもうひとひねりしたオチ(理由)が欲しかった。