<本>蚕の城 馬場明子
ノンフィクション。
筆者の馬場さんはもともと九州放送のディレクターだったらしく、九州関連のノンフィクションをよく書かれてるみたいです。
これは九州大学の蚕の「系統保存」を中心に、明治~昭和の養蚕と蚕の研究をまとめたもの。
明治時代の養蚕は一大産業だったといわれるけど(絹のもとになる生糸をヨーロッパに輸出しまくって外貨を稼いだらしい)、その蚕の品種改良や遺伝子研究について触れられています。
九州大学が蚕の研究の大本山で、蚕の種類を残していくことに心血を注いでいるとは知らなかったよ・・・。
『蚕の城』って『高い城の男』か?と思いましたが、研究者が大学構内にできた蚕室を「われわれの城」と書いていたところからつけたらしい。
自分の祖先が養蚕農家で、縁ある人もちょっと出てきたりしたので、個人的にシンパシーを感じながら読みました。