椿 読書録

読書とその他楽しみの記録です。

<本>夜行 森見登美彦

10年前、鞍馬の火祭りの夜、仲間の一人の女性が消えた。

そして10年後の今日、また仲間たちが集まった。

仲間たちはそれぞれの旅の思い出を、旅の「夜行」を語りだす・・・。

 

それぞれの旅の語りのパートは怖かった!

「裏森見」を感じました。

それだけに、最終話の明るさにはほっとした。

 

話全体が『熱帯』に似てるなー、と思いました。

「祭りの夜に消えた人」「それぞれに語られる物語」とか。

インタビューか何かで読んだところによると、森見さんは2011年くらいにそれまで抱えてた複数の小説の続きが書けなくなり、一気にストップして、その後続きを書いて『熱帯』を出した、とのこと。

この『夜行』も2011年以前に雑誌に掲載されて、その後「再構成、全面改稿」とのことなので、影響というか同じような傾向になったのかもしれない。